社畜が村上春樹の「ラオスにいったい何があるというんですか?」を読んでラオスに行ってみた。そしたらやっぱり何もなかった。
GWはほぼ丸々ラオスに滞在していました。
「ラオス行ってきます!」と言うとほぼ必ず「なんでラオス?何かあるの?」と聞かれた。
ラオスの理由はタイトルの通り、村上春樹のエッセイ読んだのがきっかけ。
オチもクソも無いんですが、やっぱラオスって何も無い国。でも、それが良かったっていう話です。
まず首都ビエンチャン。空港がもはや沖縄の離島並みの規模。
地球の歩き方に載っている見所といえば、黄金の塔「タートルアン」、パリの凱旋門を模して作られた「パトゥーサイ」、ラオス最大規模のお寺「ワットシーサケット」の三つ。
全部一日で歩いてまわれる。しかも、各スポット30分もいれば飽きる。
(タートルアンはちょい遠いのでトゥクトゥクなりレンタサイクルで行った方が楽)
二日半滞在の予定なのに、一日でほぼすることが終了してしまった。
主要スポットを回った後はメコン川のほとりで現地ビールのビアラオを飲んで過ごすことに。
最高気温38℃の炎天下で飲んでたら熱中症になりかけたので即退散した。
メコン川通り沿いにあるカフェを転々としてビールを飲み続けた。
お次はルアンバパーン。ラオスの京都みたいな街で、1995年に世界遺産に登録されている。富岡製糸場や軍艦島よりも先輩なのだ。
コロニアル風なおしゃれな街並みは歩いているだけで楽しくなる。
ここの見所といえば、早朝のお坊さんの「托鉢」、ルアンバパーンで最も美しいとされるお寺「ワットシェーントーン」、「クアンシーの滝」、「パークゥー洞窟」であるが、
がんばれば丸一日で回れないこともない。
だったらラオスとかGWじゃなくて週末でもいいじゃん、てなりそうだが、それは本来のラオスの楽しみ方ではない。
数少ない観光スポットをよりつつも、何もしないことを楽しむ国なのだ。
私が旅行中に出会った大阪人はこう言った。
「ラオスは求めすぎたらアカンねん。これくらいでええやんって国やねん」
なるほど言い得て妙である。
ラオス人ののんびりっぷりは日本人からすると一見異様にも写る。
平日の昼間っからビアラオを飲み、メコン川のほとりでぱしゃぱしゃ遊び、原チャリを乗り回す。(まだ本格的なモータリゼーションは到来していない模様)
日々満員電車に揺られている僕に対して、「そんな生き急いで何か幸せなことでもあんのかいな?」と問いかけられている気分にもなる。
ラオスは何もないからこそ、人間の無駄な部分が削ぎ落とされ、原始的な欲求をほどほどに満たし、それでいて豊かで有り続けようとしているのだ。