「勝ち続ける意思力」/梅原大吾〜バランスよく変化し続ける〜
前回ちきりんさんと梅原氏の対談本をご紹介したけど、今度は梅原氏の「勝ち続ける意思力」を読んでみた。
「勝つこと」ではなく、「勝ち続けること」を説明した本。
両者は似ているようで、果てしないほどの差がある。
(このブログも、ぽんっとアクセス数が伸びたかと思いきや、閑古鳥が鳴く日もある。アクセス数を伸ばし続けるのはとかく難しい・・・)
格闘ゲームで世界トップに君臨し続ける梅原氏の勝ち続ける極意とは何か?
それは、バランスよく変化し続けること。
本書でたびたび言及されているのが、日々の変化を大事にするということだ。昨日の自分よりも少しでも成長できたか?変化できたか?と梅原氏は自分に問うという。
それは、昨日出せなかった技が出せるようになったとか、近くにいつも行くスーパーより2円安い店を見つけたとか、ほんの些細なことでも構わない。
すなわち、小さな成功体験を積み重ねることだ。昨日の自分よりもほんの少しでも成長したことに喜びを感じる。小さな成功体験でも、塵も積もれば山となるごとく、自分にとって大きな自信になる。
一方で、梅原氏は過去のスタイルにとらわれてはいけないとも言う。格闘ゲーム業界の競争も激しく、強いと思われる勝ちパターンを確立してもすぐに研究され、敗れ去ってしまう。昨日出せたあの技を使えば今日は勝てるかもしれないが、明後日は、来週以降は勝てるか分からない。自分が積み重ねた勝ちパターン、すなわち成功体験を捨て去る勇気が必要なのだ。
勝ち続けるためには、勝って天狗にならず、負けてなお卑屈にならないという絶妙な精神状態を保つことで、バランスを崩さず真摯にゲームと向き合い続ける必要がある。
僕にとっての正しい努力。それはズバリ、変化することだ。昨日と同じ自分でいないー。そんな意識が自分を成長させてくれる。
自分の成長に喜びを感じながらも、それに溺れることなく、昨日の自分よりも変化しつづける。この絶妙なバランスの変化こそ、彼が世界で「勝ち続けている」所以なのだろう。