Somewhere in the world 〜不真面目社畜の徒然日記〜

ビジネスと旅行と、時々宗教

「アルケミスト―夢を旅した少年」/パウロ・コエーリョ 

上京についてたらたら書いた時にもご紹介しましたが、あらためて書評を書きたい。 

パウロ・コエーリョというブラジル人作家のベストセラー小説です。

 

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

 

以下、Amazonの「内容」からの引用↓

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」「前兆に従うこと」少年は、錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。欧米をはじめ世界中でベストセラーとなった夢と勇気の物語。

 

正直、ここ数年間読んだ本でダントツで良かった。間違いなく、これからの僕の人生の指針となってくれる本です。

 

心の声を聞け

この本の教訓は、己の心の声を素直に聞き、夢を追い続けよということです。

少年サンチャゴは道中で何度もアンダルシアの平原に引き返そうとする。

羊飼いの仕事はもう慣れているし、旅で辛い思いをする必要も無い。

そこで彼の前に現れる王様や錬金術師が彼に諭します。「自分の心に従いなさい」と。

多くの苦難を乗り越えながらも、サンチャゴはエジプトへ向かう。

一方、夢を追いきれなかったメタファーとして、おじさんたちが出てくる。

小さい頃から旅に出ることを夢見続けているパン屋のおじさん、いつかメッカに巡礼したいと思いながら巡礼者を見送るだけのクリスタル屋のおじさん。

彼らは、「本気だせば夢がかなうかもしれない」という可能性に生きている。そしていつか気づいてしまう。「一歩でも踏み出せば、その夢は叶うはずだった」ということに。

 

マクトゥーブ:それは書かれている 

少年サンチャゴは、錬金術師やオアシスの少女など、何度も偶然の導きに出会う。

それは作中で「マクトゥーブ(アラビア語で、「それは書かれている」の意)」と言われる。偶然のようで、実は必然だったということだ。

少年に、「夢を追うものには、全宇宙が協力してくれる」と誰かがアドバイスをする。

夢を手に入れるは、夢を追い続け、偶然に導かれながれもそれを必然と意味付けできる者だということだ。

 

ジョブズも言ってた

「己の心に従う」というのは、スティーブ・ジョブズがかの有名なスタンフォード大でのスピーチでも言ってました。

And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.

「マクトゥーブ」-偶然だけど必然というのは、彼のConnecting dotsの話とも似てますね。

Again, you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something ― your gut, destiny, life, karma, whatever.

偶然の出来事に思えても、絶えず意味付けを行えば、それは夢を追うための必然になる、てことかもしれません。少年サンチャゴも、今までの旅路での出来事が、点と点のようだったのがすべてつながっていく。それはマクトゥーブだから。

 

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アルケミスト」は自分が自分を忘れそうになった時に、自分の夢から引き返そうとした時に何度でも読み返したい本です。