Somewhere in the world 〜不真面目社畜の徒然日記〜

ビジネスと旅行と、時々宗教

瀬戸内国際芸術祭2016 ロジの良い点・改善点

芸術作品については前回書いたけど、ここではロジ(芸術祭のオペレーション、運営)について良い点と改善点について書きたい。

 

ちゃんと「国際」芸術祭してる。

まず驚いたのが、国際芸術祭の名にふさわしく、きっちりと英語対応が行き届いていたことだ(あくまで、日本人の一旅行者での視点だが)。

まず、各島の案内看板や芸術作品の説明はすべて日英併記が徹底されていた。英語の地図もある。なので日本語の案内しかないので外国人が島で迷子になるということはならない。(少なくとも、日本人と同レベルの情報を共有している)。

芸術祭で必携とされるガイドブックの英語版もあった。

 

さらに驚いたのが、ボランティアとして各島で働くボランティアスタッフが皆英語堪能だった。各芸術作品の前には受付があるが、日本人には日本語で、外国人には英語としっかり使い分けて案内されていた。

極めつけが、豊島の巡回バスの運転手が、日英両方でガイドしていたのだ。見た目は田舎のおっちゃんなのに(スミマセン)、次の停留所、窓から見える芸術作品についてちゃんと英語で説明していた。

英語対応はテキストからボランティアの採用まで周到な準備がされていた。

実際、芸術祭には外国人(特に欧米系)が多く、また端から見る分には何不自由無くアートと島の旅を楽しんでいた。

昨今、とりあえず何でも国際とつければいいみたいな風潮を感じていたが、瀬戸内国際芸術祭については徹底されていて勝手に感心してしまった。

店のオペレーションはグダグダ

一方、悪かったというかもう少し改善した方がよいのではと思ったのがいろんなお店のオペレーションだ。

島内の移動はバスや自転車が主流で、島に着いたらまずレンタルサイクル屋に行く人が多い。僕もとある島で電動自転車を借りに行ったのだが、なんともオペレーションが遅かった。30分くらいの行列を並んで何とか僕の番になったが、遅い理由が分かった。一人の店員が一人一人の客に何を借りるか(その店は電動バイク、電動自転車、自転車を貸していた)を聞いて、商品ごとの使い方の説明を一人一人に行っていたのだ。

だったら電動バイク、電動自転車、自転車とかでレーンを三つに分けて、使い方の説明は5人とかまとまった人数でやればもっと効率的になるはず。もちろん、店舗面積、人員の制約はあるけど。

 

また、とある島のバーガー屋さんでも、レジには一人しかいなくて注文受けと商品渡しを同時に行うもんだからなかなか列がさばかれていなかった。商品渡すから注文は受け取れないわ、そうこうしているうちに注文する人の列と商品待ちの列がぐちゃぐちゃになって大変だった。マクドナルドみたいに注文する人と商品受け取る人で2レーンに分ければ解決するのでは?と思った。

 

でもオペレーションがグダグダでも商売が成り立つのは、供給に対して需要が過剰だからだと思う。芸術祭開催中はおびただしい人が島に訪れ、島中のレンタサイクルが貸し出されてしまう。だから効率的にさばこうが、レンタサイクル屋にとっては関係ないのだ。いずれすべての自転車が借りられるのだから。

飲食店だってランチタイムはどこも一時間待ちがざらだった。だからのんびりしててもその日の材料が売れ残ることはない。

芸術祭で島に展開している店舗はある種の独占市場になっていると思う。

もともと島のキャパシティが限られているところに、どっと需要が急増する。競合と需要を分け合ったとしても十分に儲けは出る。それに、三年に一回のイベントだ。サービス改善のインセンティブは生まれない。

 

参加する側としては、こういうものと覚悟した上で島に上陸すべきだろう。