やり抜く力
アンジェラ・ダックワースの「やり抜く力」を読んだ。
TEDでも有名になった、GRIT(やり抜く力)が人生の成功となるというお話である。
再生回数も多いので、見た方もいらっしゃるだろう。
GRITとは、長期的な目標のために最後までやりきれるか?という能力。
要は、粘り強く努力し続けられるかどうかということだ。
本書は、このTEDで語られたことを科学的な検証によって裏付けた内容となっている。
例えばウエストポイントというアメリカで著名な陸軍士官学校は、入学難易度は全米屈指の高さを誇るが、同時に入ってから多くの学生が退学してしまうという。しかし、退学してしまう生徒のパフォーマンスは、入学時の学業成績とはまったく関係がないそうだ。入学時は高い成績だったとしても、退学する可能性はあるし、その逆もありうるのだ。本書では、先天的に保有している才能よりも、後天的に努力し続けられるかの能力が人生のパフォーマンスに影響すると繰り返し説明されている。
また、この本には自分のGRITを測るグリッド・スケールなるテストが用意されている。
グリッド・スケールは5点満点で私は4.3だった。アメリカ人の成人の80%よりは上らしい。要するに上位20%ということだった。
ちなみに、GRITの能力自体も才能ではなく、可変的に伸ばせるらしい。僕も、もっとがんばらないと。
さて、日本人がこのGRITを理解し、身につけるためには、何度失敗しても這い上がり、努力し続けることが重要だと思う。
なぜなら、日本はハラキリ文化のせいかしらないが、一度でも失敗したら人生終わりみたいな風潮を感じるからだ。
僕たちは、高校受験(都市部なら小学校・中学校から)、大学受験、就職活動と、それぞれのライフステージでふるいにかけられ、一度でもどこかで失敗すると再起できないような雰囲気がある。MARCHだったら、就活で学歴フィルターかかっちゃうから大手は難しいよね、みたいに。
そこでくじけずに、努力し続けられるかがGRITの真骨頂だ。
僕が知る日本人で「GRIT」の天才だと思うのは、本田圭佑だ。
今でこそACミランで10番をはって日本代表のエースとして君臨しているが、
これまで彼は多くの困難と挫折を乗り越えてきた。
特に、ガンバ大阪ジュニアユースからユースに昇格できなかった話は有名だ。
その後もVVVで二部昇格だったり北京五輪で全敗など多くの苦難を味わいながらも、あきらめずに努力し続けることで現在のポジションを得たのだと思う。
僕もこの本と本田を見習って、GRITを大事にしたい。
挫折は過程、最後に成功すれば、挫折は過程に変わる。だから成功するまで諦めないだけ。-本田圭佑