はじめての宗教論 左巻―ナショナリズムと神学/佐藤優〜神学の入り口〜
右巻を読んだので、次の左巻も読んでみた。
はじめての宗教論 左巻―ナショナリズムと神学 (NHK出版新書 336)
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2011/01/06
- メディア: 新書
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「 なぜ神学はナショナリズムに結びつくのか?」が主なテーマ。
キリスト教神学の基本概念を説明した後、近代に自由主義神学を確立したシュライエルマッハ、そして彼を超克しようとしたカールバルトについて解説している。
シュライエルマッハは宗教の本質は「直観」と「感情」あると解いたことが、神学のパラダイムシフトになった。それまで雲の上にいるとされた神様が、人々の心の中にいるとされたのだから。
内在化された神により信仰は内を向き、外部性が捨象されるようになった。
やがてそれは共同体をともにする者たちの存在事由となり、信仰を共有できない者は「異端」として敵とみなされた。こうして神学はナショナリズムを助長し、ナチズムを正当化し、世界大戦をもたらした。
偏狭なナショナリズムに異を唱えたのがカールバルトだった。
バルトはローマ書を読み解き、神はさらに「上」にいると解いた。人間がとても到達できないところだ。だから神の啓示はそのひとり子イエスキリストを通してでしか知ることはできない。もっと聖書に、キリストの言葉に耳を傾けようと主張した。
とまぁこんな感じでしたが、分かったような分かんないようなぼんやりとした感覚だけが残った。右巻と同じく、議論がとびとびで、いきなり「ちなみに〜というと・・・」みたいに脈絡の無い話が続いて全体像がつかみづらかった。僕がアホなだけでしょうが。
本書ではシュライエルマッハとバルトの原著をたびたび引用してますが、やはり原典にあたらないと神髄まで理解できないんだろう。その上で本書を読めば、「そういうことだったのか!」「いや、その解釈おかしくね?」と反応が生まれ、理解が進む。
神学のとっかかりはつかめたので、本当にタイトルとおり「はじめての宗教論」でした。
神学勉強したいけど何から読んでいいのか分からない人向け。