「心を整える」長谷部誠
一昔前にはやった、メンタル本。
心を整えなきゃなーと漠然と思った時に、ふと手に取ってみた。
長谷部のキャプテンシーの評判のよさはもはや周知の事実だけど、
彼だけじゃなくサッカー選手もメンタルが日々上下するんだなとありありと伝わってきた。
僕はサッカーは詳しくないので、テレビでなんとなく試合を観ているだけだと皆常に必死でサッカーしているようにしかみえない。でも2011年のアジアカップの初戦あたりは日本代表の選手といえども気が緩んでいたらしい。そこで長谷部キャプテンのご登場というわけだが。
僕はサッカーどころかスポーツ観戦をほとんどしないけど、一流のアスリートからビジネスマンが学ぶべき点は多いと思っている。
それはプロフェッショナリズムであったり、価値の出し方であったり、本著のようなメンタル調整だったりする。
日本企業に勤めいる分にはよっぽどのことが無い限りクビにはならないけど、アスリートは明日の試合でけがして選手生命を一瞬にして失うリスクを背負っている。日々の激しいプレッシャーにさいなまされながらどのようにプロとしてあり続けるのか、僕は興味があった。
前置きが長くなりましたが、本著の神髄はまえがきに述べられていると思います。
僕にとっての「心」は、車の言うところの「エンジンであり、ピアノで言うところの「弦」であり、テニスでいうところの「ガット」なのです。???という感じかもしれませんが、「メンタルを強くする」と言うよりも、「調整する」「調律する」と言った方が適している感覚です。
(中略)
つまりは「心をメンテナンスする」「心を整える」ということ。
僕はメンタルトレーニングというと心を強くするイメージが強く、上司にキリキリ詰められても動じないみたいなイメージを持っていた。
それも間違ってはいないんだろうけど、もっと大事なのは「心」を最高のパフォーマンスを出せるように常に整えておく(車でいうエンジン、ピアノでいう弦、テニスラケットでいうガット)。
どれだけ素晴らしいテクニックやフィジカルを持っていようが、心がのってこないとそれらを活かすことさえもできない。
そのためにはどんな状態なら自分の心が整っているのかを知らなくてはならない。つまり自分のぶれない軸を持っている必要がある。長谷部はそれを徹底的に知り尽くしているんだと思う。(陶芸で台がしっかりしているというくだりも、その表れなんだろう)
心を整えるには、まず自分はどんな状態なら整っていて、どうすればずれた時にチューニングできるかをを知らなければならない。